第7次総合計画について

最終更新日:2018年02月22日

白糠町はこれまで、森林(もり)と川と海の自然がもたらす豊かな地域資源や、先人たちが築き上げてきた歴史や文化を背景に、基幹産業である一次産業を中心に発展してきました。
時代の変革とともに、身の丈にあったまちづくりが求められる今日、今に生きる私たちには、まちの足元を見つめ直し、これまで以上に恵まれた地域資源を利活用しながら個性あるまちづくりを進めていくことが求められています。
第7次白糠町総合計画は、このような思いを実現するため、描かれた将来像に向かって町民と行政が情報を共有しながら協働し、まちづくりを進めていくための平成29年度(2017年度)までの10年間の共通目標です。
町民がいきいきと笑顔で生活し、小さくても輝く町を次代を担う子供たちに引き継いでいくため、より一層の町民皆様のご理解とご協力をお願いする次第です。
最後に、この計画の策定にあたりご尽力賜りました、総合計画策定委員会委員各位、町議会議員各位、ならびに貴重なご意見やご提案をお寄せいただきました町民の皆様に、心から感謝を申し上げます。
白糠町長 棚野 孝夫

第1章 序論:計画策定の概要

1.はじめに

白糠町では、平成10年度に「第6次白糠町総合計画(平成10年度から平成19年度)」を策定し、「心から豊かさを感じる地域社会の創造」を基本理念として、全体テーマと6つの地域テーマのもと、まちづくりに取り組んできました。
この間、総合給食センター、パークゴルフインチャロの建設、茶路小中学校の改築をはじめとする教育施設の整備、一般廃棄物最終処分場の建設など大型事業を推進するとともに、一方で率先して行政内部の効率化を図るための行政改革も進めてきました。
しかし、21世紀に入り地方を取り巻く環境は、少子高齢社会の進行、地方分権の推進、国の財政危機を背景とする構造改革の流れによって大きく変化し、本町においても市町村合併など、計画策定時には想定できなかったまちづくりの大きな課題に取り組まざるを得ない状況となりました。
本町は、このような背景を受け、まちの進むべき道を住民投票によって選択し、単独の道を歩んでいくこととしました。
そして、これからの行財政運営の方向を住民参画による「まちづくり委員会」によって協議し、長期的で安定した行財政運営を進めていくための「緊急行財政改革計画」、「長期財政計画」を策定しました。
「第7次白糠町総合計画」策定にあたっては、これまでの取組みによって、町民皆様から寄せられたたくさんのまちづくりに対するご意見やご提言を踏まえ、各種計画との整合性を図りながら、中長期的な視点に立ってまちづくりの方向性を示します。
また、わかりやすい情報の提供によって住民がまちづくりに参画しやすい環境の構築を図り、住民と行政による協働のまちづくりの指針となるよう、ここに「第7次白糠町総合計画」を策定します。

2.計画の役割

総合計画の役割の図
第7次白糠町総合計画は、住民と本町の最上位計画として位置付けるとともに、今後のまちづくりの方向性を示すものであり、事業に対する必要性や優先順位を明確化し、住む人々と行政が協働のまちづくりを進めるため、以下の3つの役割を持ちます。
役割1:協働のまちづくり
本計画は、本町のまちづくりの方向性と必要な施策をわかりやすく住民に示し、すべての住民がまちづくりに参画・協働するための、まちづくりの共通目標となるものです。
役割2:情報共有のまちづくり
本計画は、事業の必要性や優先順位を明確化したものを公開し、住民と行政が共通の認識でまちづくりを進めていくとともに、住民がまちづくりに参画しやすい環境を構築するものです。
役割3:点検・評価のまちづくり
本計画は、目標指数を定めて施策を推進し、施策の成果を定期的に点検・評価する制度を導入するものです。

3.計画の期間と構成

本計画は、長期的なビジョンで計画行政を進めていくための「基本構想」と、事業を展開するための「実行計画」との2層で構造し、まちの最上位の計画として位置付けます。 
計画期間
平成20年度(西暦2008年度)から平成29年度(西暦2017年度)までの10年間とします。
基本構想
基本構想は、住民のニーズ、時代の潮流、本町の置かれている位置や直面する課題等を検討し、施策分野別大綱と振興方針を定め、基本とすべき理念や将来像を示した住民と行政の共通の目標となる平成20年度から平成29年度までの10年間の長期構想です。
実行計画
  • 実行計画の図
実行計画は、基本構想の施策の枠組みに基づき、緊急行財政改革計画、長期財政計画との整合性を図りながら、今後取り組むべき事業の必要性や優先順位を明確に定めた平成20年度を初年度とする前期5年間の計画と、社会・経済情勢の急激な変化に的確かつ柔軟に対応できるよう平成25年度を初年度とする後期5年間の計画に二分しています。

第1章 序論:白糠町の概況

1.白糠町の現状

沿革
本町の開拓の歴史は古く、寛永9年(1632年)に白糠場所が開設され、交易が盛んに行われました。また、寛政12年(1800年)には、幕府の命を受けた原半左衛門ら50名の「八王子千人同心隊」が入植し、屯田村がつくられました。さらに、安政の頃には石炭岬付近で道内最初の石炭採掘が行われました。
明治17年(1884年)には戸長役場が設置され、明治後期から大正にかけて農業開拓を主とした入植が盛んとなり、さらに木材・石炭資源が開発され、馬産地としても繁栄しました。それに伴い人口も増加し、町の形態を整え、大正4年(1915年)に2級町村制施行により白糠村となり、昭和25年(1950年)白糠町となって今日に至っています。
立地条件
本町は、釧路支庁管内の西南部に位置し、東西は釧路市、北は釧路市阿寒町、浦幌町、本別町、足寄町に接し、南は太平洋に面していて、東西25.3キロメートル、南北55.9キロメートル、総面積773.75平方キロメートルの広さとなっています。
「阿寒富士」を頂点にして、山地と丘陵地が連なり、起伏の多い傾斜線から沿岸に平野状となっており、茶路川、庶路川、和天別川の河川沿いに白糠、庶路、西庶路の市街地が形成されています。
自然条件
本町の気候は、初秋から冬季にかけて、シベリアからの移動性高気圧により晴天が続き、年間最大積雪量が平均45センチメートルと、道内でも積雪の少ない地域です。夏季は、8月の平均気温が17.8度と冷涼で、5月から7月にかけて沿岸部に「海霧」が発生し、8月、9月に降水量が多く、全域を通じて太平洋側東部型気候となっています。
人口・世帯
  • 人口推移の図
  • 人口:本町の人口は、昭和35年(1960年)の20,770人をピークとして、現在まで減少傾向が続いています。最近の人口動態は、毎年190人程度の減少幅となっており、今後においても同様に推移すると思われます。
  • 世帯:世帯数は、平成17年現在4,115世帯であり、1世帯あたりの人員は、昭和35年当時、4.8人であったものが、現在では2.5人と3人を割り込んでいます。これは、核家族化という時代の流れもありますが、若者の転出による減少と少子化などが原因しているものと言えます。
  • 年齢別人口構成比の推移
  • 年齢別人口構成:本町の年齢構成は、昭和50年当時、0歳から30歳前半までの、いわゆる幼児から青年層のボリュームが多かったのに比べて、平成17年では50代以降の割合が増加し、特に50代後半の割合がかなり高くなっています。これを年齢3区分の人口の推移でみると、0歳から14歳の年少人口は、昭和50年には、3,859人で25.9パーセントを占めていたものが、年々減少を続け、平成17年には、人口数で1,319人、割合で12.7パーセントとなっています。逆に65歳以上人口は、999人から2,832人へと、割合でも6.7パーセントから27.2パーセントに増加し、高齢社会を迎えています。(平成年17国勢調査結果)

  • 業種別就業人数の図
  • 就業人数:平成17(2005)年の就業人口をみると、第3次産業が2,623人(52.7パーセント)で最も多く、第2次産業1,693人(34.0パーセント)、第1次産業663人(13.3パーセント)と続きます。業種別ではサービス業1,260人(25.3パーセント)、製造業1,169人(23.5パーセント)、卸売・小売・飲食業691人(13.9パーセント)が上位を占めます。昭和60年から平成17(2005)年までの推移をみると、第1次産業全体が大幅な減少を続けており、第2次産業、第3次産業においても、サービス業が増加しているものの、全体的に減少傾向にあります。
  • 近隣市町村との通勤・通学のうごきの図
通勤状況一覧表(平成17年度)
区分 人数
白糠町に常住する就業者・通学者の数
  • 5,406人
    • その内、他市町村で就業・通学者:1,309人
白糠町で就業・通学する者の数
  • 5,666人
    • その内、他市町村に常住している者の数:1,569人
  • 通勤・通学人数:平成17年の通勤状況をみると、本町に住んでいる就業者・通学者5,406人のうち、町内で通勤・通学する人は4,097人(75.8パーセント)、町外へ通う住民は1,309人(24.2パーセント)で、町外からは1,569人が通ってきています。通勤・通学先で多いのが釧路市1,078人(82.4パーセント)、次いで釧路市音別町120人(9.2パーセント)、釧路町44人(3.4パーセント)で、町外からの通勤・通学は、釧路市1,310(83.5パーセント)人が最も多く、このほか釧路市音別町106人(6.8パーセント)、釧路町76人(4.8パーセント)の順で多くなっています。

第2章 基本構想:白糠町の将来像

1.まちづくりの重要視点

我が町は、6市町村、そして4市町による合併協議、また、単独による行政運営の選択による自立のための協議を通して、まちの課題や将来のまちづくりの方向性についての多くの議論を重ねてきました。このことは、まちをしっかりと見つめ直す機会となったと同時に、町民の皆さんからたくさんの意見や提言をいただく機会ともなりました。
第7次総合計画では、これまで寄せられた将来のまちづくりに対する意向を踏まえ、身の丈にあったまちづくりを町民の皆さんとともに進めていくため、次の3つを重要視点として定め、まちづくりを推進します。
重要視点1:第1次産業の再興と振興
今日までの白糠町の産業は、先人達が様々な苦難を重ね、築き上げてきた貴重な財産です。先人に感謝しつつ、これらの財産を大切にして、子や孫に引き継ぐことは、今に生きる私たちの使命であることを意識し、個性ある産業づくりを進める必要があります。
本町の第1次産業である農林水産業のさらなる振興を図るため、加工特産品、商業、観光サービス等の各分野の産業要素を融合化し、新たな振興の展開と整備充実により、本町の特徴を出し、活力に満ちた産業づくりを目指します。
重要視点2:町民健康づくり
高齢社会から超高齢社会へ突入し、これに伴い増えつづける医療費や介護費は、将来のまちづくりに多大な影響を及ぼします。このようなことから町民が自分らしくいきいきと暮らし、健康で思いやりのある社会づくりを目指して、一人ひとりが取り組める健康づくりを推進し、健康寿命の延伸を図るとともに、生活習慣病の改善を行い、医療費の抑制に取り組みます。
また、子どもの立場で考えた子育ての環境づくりを目指し、家庭生活や子育てに夢や希望を持つことができる社会づくりに取り組みます。
重要視点3:教育(意識改革)
先人の築き上げた白糠町の財産を生かし、新しい時代に即応したまちを自らの手で創造する人を育てるため、「ふるさと教育」の実践を通し、地域に織りなす人・文化・自然をこよなく愛し、広い視野に立ってふるさとへの愛着心やふるさとに生きる意欲を喚起するとともに、そこに生きがいを持って精進する町民の意識を育むよう努めます。

2.まちづくりのテーマ

  • まちづくりのテーマの図
本町の特性や社会動向、住民のニーズ、町の発展課題、そしてまちづくりの基本理念を総合的に勘案し、目指す将来像を以下のとおり定め、「白糠」の持つ地域資源を活用して、子どもから高齢者まで、住民一人ひとりが安心して健やかに生涯輝いて暮らせるまちの実現を目指します。
白糠町の山や海などの自然がもたらす「食と食材」は、まちの大きな財産です。そしてそれらの貴重な財産は、将来のまちづくりの重要な視点として位置付けた3つの柱に共通するキーワードとなります。
町民が、いきいきと生活できるまち、新鮮な地域資源を活かしてまちの活力を創造するまち、町の人の笑顔があふれ、小さくても輝きのある個性あるまちづくりを目指し、将来へ向かってまちづくりを推進します。

3.人口指標

将来人口予測
本町の人口は昭和35年の20,770人から年々減少を続け、平成17年(2005年)には10,397人となり、ピーク時の約半数となっています。
近年は毎年190人程度が減少し、この状況は少子化、首都圏・道央圏への人口集中等により今後も続くものと思われ、平成27年の人口はおよそ8,400人と予測されます。
65歳以上の老齢人口は、昭和50年(1975年)の999人から平成17年(2005年)には2,832人へと3倍増加(1,833人増加)しており、平成27年(2015年)には2,933人、75歳以上の後期高齢者は1,498人(平成17年の1.2倍)と予測されます。
計画人口の設定
  • 計画人口の設定推移の図
計画人口の設定一覧表(最終実績値)
区分 平成17年 平成22年
総人口 10,397人 8,332人
年少人口(0歳から14歳) 1,319人(12.70パーセント) 1,073人(11.50パーセント)
生産年齢人口(15歳から64歳) 6,246人(60.10パーセント) 5,438人(57.90パーセント)
老齢人口(65歳から) 2,832人(27.20パーセント) 2,875人(30.60パーセント)
計画人口の設定一覧表(推定値)
区分 平成27年
総人口 8,332人
年少人口(0歳から14歳) 845人
生産年齢人口(15歳から64歳) 4,554人
老齢人口(65歳から) 2,933人
平成27年(2015年)の計画人口は、少子化等による人口減少が続くものと見込み、8,400人とします。
平成27年の年齢構成は、年少人口845人(10.1パーセント)、生産年齢人口4,554人(54.7パーセント)、老齢人口2,933人(35.2パーセント)と計画します。

4.まちづくりの基本施策と大綱(および実行計画)

将来像の実現に向けて、まちづくりの基本施策(6つの施策の柱)を設定します。
下記第7次総合計画の項目よりご確認下さい。

総合計画変更内容のお知らせ

第7次白糠町総合計画(後期実行計画)は、平成25年から29年度までの5年間で、まちが予定している仕事(事務事業)の内容を定めたものです。
まちの仕事は、計画書に掲載した内容から変更することがありますので、その変更した理由や内容を町民の皆さんに公表していくこととしています。変更内容につきましては、下記のPDFファイルをご覧ください。

総合計画の振り返り

第7次白糠町総合計画(平成20年度~平成29年度)の実行計画に掲げた施策及び事務事業について、達成状況及び今後の課題等をまとめたものであり、次期総合計画策定のための基礎資料として活用するため作成したものです。

問い合わせ先

企画財政課 企画調整係

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