課税のしくみ(償却資産に対する課税)

最終更新日:2023年12月18日

 固定資産評価基準によって、取得価格を基礎として、取得後の経過年数に応ずる価値の減少(減価)を考慮して評価します。

償却資産の対象となるもの

 会社や個人で工場や商店などを経営している人が、その事業のために用いることができる機械・器具・備品等をいいます。その内容を例示しますと、次のような事業用資産です。
  1. 構築物(煙突、鉄塔、岸壁など)
  2. 機械及び装置(旋盤、ポンプなど)
  3. 船舶
  4. 航空機
  5. 車両及び運搬具(貨車、客車、トロッコ、大型特殊自動車など)
  6. 工具、器具、備品(測定工具、切削工具、机、いす、ロッカーなど)

償却資産の対象とならないもの

  1. 土地、建物
  2. 無形減価償却資産
  3. 使用可能期間1年未満の資産
  4. 取得価格が10万円未満の資産で法人税法等の規定により一時に損金算入されたもの(いわゆる少額償却資産)
  5. 取得価格が20万円未満の資産で法人税法等の規定により3年間で一括して均等償却するもの(いわゆる一括償却資産)
  6. 自動車税及び軽自動車税の対象となるもの
 (3から5の場合であっても、貸付け(主要な事業として行われるものを除く)の用に供した資産や、個別の資産ごとの耐用年数により通常の減価償却をおこなっているものは課税の対象となります。)

償却資産の評価・税額の求め方

 次の文章は数式や記号を使用しています。

前年中に取得された償却資産の計算

 価格(評価額) = 取得価額 ×(1-減価率/2)

前年前に取得された償却資産の計算

 価格(評価額) = 前年度の価格 ×(1-減価率)…(a)
 ただし、(a)により求めた額が、(取得価格×5/100)よりも小さい場合は、(取得価格×5/100)により求めた額を価額とします。

 償却資産は、原則として価格が課税標準額になりますので、それに税率を乗じて税額を求めます。
 課税標準額(価格)× 税率 = 税額

 固定資産税における償却資産の減価償却の方法は、原則として定率法です。
  • 取得価格:原則として国税の取扱いと同様です。
  • 減価率:原則として耐用年数表(財務省令)に掲げられている耐用年数に応じて減価率が定められています。 

償却資産に対する課税について、国税の取扱いと比較

 償却資産に対する課税について、国税の取扱いと比較すると次のとおりです。
比較表
項目 国税の取扱い 固定資産税の取扱い
償却計算の
期間
事業年度 暦年(賦課期日制度)
減価償却の
方法
  • 建物以外の一般の資産は、定率法・定額法の選択制
  • 定率法を選択した場合
    • 平成24年(2012年)4月1日以降に取得された資産は「定率法(200%定率法)」を適用
    • 平成19年(2007年)4月1日から平成24年(2012年)3月31日までに取得された資産は「定率法(250%定率法)を適用
    • 平成19年(2007年)3月31日以前に取得された資産は「旧定率法」を適用
一般の資産は定率法
※国税の「旧定率法」で使用する償却率と同じ率を、固定資産評価基準別表第15「耐用年数に応ずる減価率表」に規定
前年中の
新規取得
月割償却 半年償却(2分の1)
圧縮記帳の
制度
制度有り 制度無し
特別償却、割増償却の制度
(租税特別措置法)
制度有り 制度無し
増加償却の制度
(所得税、法人税)
制度有り 制度有り
評価額の
最低限度
備忘価額(1円) 取得価格の100分の5
改良費 原則区分、一部合算も可能 区分評価

太陽光発電設備の取り扱いについて

 家屋の屋根や屋上スペース等に太陽光発電設備を設置した場合は、固定資産税(家屋もしくは償却資産)の課税対象となります。
 家屋の屋根材として設置された建材型ソーラーパネルについては、家屋の課税対象となりますが、太陽光パネルを架台に載せて屋根に設置した場合や地上等に設置した場合は、次の表のとおり申告の対象となる場合があります。
設置者 全量売電の場合 余剰売電の場合
個人(給与所得者・年金受給者のかた等) 事業の用に供する資産となり、償却資産として申告の対象となります。 事業の用に供する資産とならず、償却資産として申告の対象外です。
個人(個人事業主のかた) 農業や漁業、店舗・アパート等事業を営む方が、その事業の用に供している場合は、全量売電か余剰売電にかかわらず、償却資産として申告の対象となります。
法人 事業の用に供している資産となります。全量売電か余剰売電にかかわらず、償却資産として申告の対象となります。
また、一定の要件を満たす設備には、課税標準の特例が適用され固定資産税が軽減されます。
取得時期  令和4年4月1日から令和6年3月31日まで
特例対象資産 認定発電設備対象外設備+再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金
特例の期間・特例率 新たに固定資産税が課されることとなった年度から3年度分適用
  • 発電量1000キロワット以上→価格の4分の3
  • 発電量1000キロワット未満→価格の3分の2
特例を受ける場合に必要な書類  「再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金交付決定通知書」の写し
※グリーン投資減税の取り扱いについて
 所得税及び法人税において、グリーン投資減税により特別償却(即時償却)の適用を受けた場合であっても固定資産税(償却資産)においては申告の対象資産となりますので、ご注意ください。

償却資産の申告について

償却資産の所有者には、毎年1月1日現在の償却資産の状況を1月31日までに申告していただきます。申告書は毎年12月中旬に発送等していますが、新規法人等で申告書がお手元に届かない場合には、お手数ですが税務課資産税係へご連絡ください。

問い合わせ先

税務課 資産税係

メールにてお問い合わせいただいた場合は、職員個人のメールアドレスより返信されます。

  • 電話番号 01547-2-2171(内線番号:534番・535番)